活動報告

徳川みらい学会講演会の活動報告

講演会などの活動報告を随時掲載していきます。

2020年 9月15日(火)
第1回講演会
「徳川家臣大会2020」
徳川みらい学会の第1回講演会・徳川家臣大会2020が9月15日、静岡市清水区の清水文化会館「マリナート」で開かれました。会津松平家14代当主の松平保久氏と、徳川みらい学会会長で静岡大学名誉教授の小和田哲男氏がそれぞれ、講演しました。松平氏は「会津の義、日新館の教育」の演題で語り、「ならぬことはならぬものです」という言葉に象徴される「会津魂=愚直」の信念や思想がどう形成されたかを解説しました。小和田氏は「今川義元の軍師雪斎の人づくり」のテーマで論じ、雪斎が竹千代を見込んで教育係を買って出たという経緯や、兵法だけでなく「戦国の世をいかに生きるべきか」を教えたのではと展開し、武経七書の名言なども詳しく紹介しました。
家臣団大会も同時開催されました。コロナ禍で出席を控えざるを得なかった全国の関係者もいた中、映像やメッセージなどを交えて各家臣団関係団体の活動報告も行いました。講演会の後、徳川家ゆかりの浮月楼で交流会も開かれました。
本来は例年通り4月16日に開催予定でしたが、感染症の影響が拡大する中、およそ半年、期日を後ろ倒しして実施しました。ソーシャルディスタンスが確保できる大ホールを会場としたほか、検温の実施などさまざまな感染症防止対策を講じて運営されました。
静岡新聞9月16日付け朝刊(PDF:502K)
2020年 10月16日(金)
第4回講演会 徳川みらい学会の講演会が10月16日、静岡市清水区の清水文化会館「マリナート」で開かれました。小説家の安部龍太郎氏が講師となり、「大航海時代と徳川家康」の演題で語りました。
現在、静岡新聞の朝刊紙上に掲載中の「家康」の筆者。シリーズとして連載が続く作品について、「『第4部』として書いています。もっと短くするつもりでしたが、書けば書くほど、家康という方の魅力が分かってきて、どんどん延びています」と魅力の奥深さを強調しました。「宣教師」が外交官や商社マンの役割も併せ持った大航海時代の背景をとらえつつ、桶狭間や長篠の戦いを解説したり、家康とお市が婚約関係にあったとする説も取り上げ、来場者の関心を集めました。
静岡新聞10月17日付け朝刊(PDF:465K)
2020年 11月10日(火)
第5回講演会 徳川みらい学会の講演会が11月10日、静岡市葵区の静岡市民文化会館大ホールで開かれました。俳優の榎木孝明氏と、静岡産業大学総合研究所客員研究員の中村洋一郎氏がそれぞれ講演した。
現在放映中の大河ドラマ「麒麟がくる」にも出演中の榎木氏は「武士の心-武将を演じて」の題で講演した。多くの武将を演じた経験から日本人が受け継いでいる武士の精神性や、死生観、もてなしの心について語りました。
講師を務める予定だった東京学芸大学教授の大石学氏が急病のために出演できなくなり、徳川みらい学会アドバイザーで、静岡市歴史文化拠点推進監も務める中村氏が講師を務め、「駿府城下町をめぐる『知』のネットワーク」の演題で講演しました。中村氏はシーボルトをはじめ、東海道を行き来した人々の記録や、駿府の学者たちがのこした文献などから、町人たちの生き生きとした文化的交流や、知性の高さを強調し、整備が進む静岡市の歴史文化施設についても概説しました。

静岡新聞11月11日付け朝刊(PDF:416K)
2020年 12月5日(土)
第6回徳川家康公顕彰
作文コンクール
徳川みらい学会が共催する第6回徳川家康公顕彰作文コンクール(徳川記念財団主催)の表彰式が12月5日、静岡市葵区の静岡商工会議所で行われました。
最高賞の徳川賞に選ばれた佐塚陽介さん(静岡サレジオ中2年)をはじめ入賞した22個人団体のうち21個人・団体に表彰状が贈られました。県内各地から多くの保護者も参加して、大きな拍手を送りました。 コロナ禍での作品募集となりましたが、今年も意欲的な秀作が多数寄せられました。優秀作に選ばれた4人が、式典で朗読発表も行いました。 駿府城の発掘現場や坤櫓に何度も通った経験を基に書いた佐塚さんの作品のタイトルは「情熱・謙虚・自己管理」。家康の魅力がこの三つであると分析し、「家康公に学ぶことの意義は大きい」とまとめています。
応募総数は静岡県内47の小・中学校からの276点。学校賞(最多応募人数の学校)には、計147点を応募した同市立清水袖師中が選ばれました。
受賞者名簿(PDF:88K)
2020年 12月9日(水)
第2回講演会 徳川みらい学会の講演会が12月9日、静岡市葵区の静岡市民文化会館大ホールで開かれました。テーマは「次郎長生誕200年記念事業・侠客清水次郎長と静岡の明治維新」。徳川みらい学会と静岡商工会議所が主催し、「次郎長と港を活かした清水活性化委員会」との共催事業として実施しました。
前半はSPAC俳優の奥野晃士さんらによる「動読」のステージ、後半にはアウトローの世界を学術的に掘り起こしている高橋敏氏(国立民俗歴史博物館名誉教授)の講演という構成で進行しました。奥野さんは、照明や音楽など演劇的な演出で朗読をする「動読」を繰り広げ、次郎長の激動の人生や、多彩な人々との交流の物語を披露しました。高橋さんは、急激な体制変革の波に翻弄されつつ「駿府」から「静岡」へと移り変わった時代の空気を解説しつつ、次郎長は「時代の潮流を読む才覚の持ち主だった」と語りました。
静岡新聞12月10日付け朝刊(PDF:492K)
2020年 12月23日(水)
第3回講演会
朝鮮通信使講演会
徳川みらい学会の朝鮮通信使講演会が12月23日、静岡市駿河区の静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開かれました。
静岡県立大学教授の小針進氏が講師を務め、「日本と朝鮮半島:近世と現在を俯瞰する」の演題で語りました。
小針氏は、秀吉による日本と朝鮮半島との戦乱の時代を、徳川家康が「交隣」へと見事に方向転換した歴史を語りつつ、その背景には国情視察やビジネスなどの実利的な意味合いもあったと分析しました。
コロナ禍も重なって人の往来が途絶え、現在の関係が「戦後最悪」ともいわれる状態になっているものの、両国の文化プロジェクトや、若者を中心に相互に文化的な関心を高めている現状も挙げ、「現代の朝鮮通信使ともいえる人々の動きもある」と今後への期待感も示しました。
静岡新聞12月25日付け朝刊(PDF:510K)
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