活動報告

徳川みらい学会講演会の活動報告

講演会などの活動報告を随時掲載していきます。

2021年 4月16日(金)
徳川家臣団大会
第1回講演会
徳川みらい学会の第1回講演会・徳川家臣大会2021が4月16日、グランシップ大ホールで開かれました。虎屋文庫前文庫長の丸山 良氏、渋沢史料館館長の井上潤氏が二本立てで講演しました。
丸山氏は「虎屋の歴史と注文記録―徳川家と渋沢家に関わる注文記録から」の演題で、井上氏は「近代日本社会の創造者 渋沢栄一の実像に迫る」のテーマでそれぞれに研究の成果を発表しました。
徳川家臣団大会も同時開催されました。コロナ禍で来場を控えた遠方の家臣団体代表者からは、リモートによる事前収録メッセージを寄せていただくなど、映像や動画を生かして家臣団団体の近況報告なども行いました。
昨年は感染症の急拡大を受けて秋に実施しましたが、今年は例年通り、家康公の命日4月17日の前日にあたる恒例の16日に実施しました。来場者の皆様には、ソーシャルディスタンスの確保や、検温と手指消毒の徹底など、さまざまな感染症防止対策に協力いただきました。
2021年 6月19日(土)
第2回講演会(朝鮮通信使講演会) 徳川みらい学会の第2回講演会(朝鮮通信使講演会)が6月19日、静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で開かれました。明治大学教授の須田努さんが講師を務め、「江戸時代の異文化コミュニケーション~地域の祭りに繋がる朝鮮通信使」の演題で語りました。「江戸時代に国交を持った、朝鮮・朝鮮人との関係を異文化コミュニケーションの視点から考えたい」とし、「善隣外交」といわれた日朝関係の内実について、朝鮮王朝側、徳川幕府側それぞれの思惑や、当時の民衆が朝鮮通信使をどう受け止めていたかを論じました。
静岡新聞6月20日付け朝刊(PDF:429K)
2021年 7月31日(土)
講演会
※本来は2020年度事業として2021年2月に実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を受けて、延期して開催しました。
本来は2021年2月に実施予定だった徳川みらい学会の講演会が7月31日、静岡市清水区の清水文化会館「マリナート」で開かれました。奈良大学教授の千田嘉博さんが「駿府城から江戸城へ―家康の目指した平和」をテーマに講演し、「築城の名手だった家康」に焦点を当てました。城郭考古学者の千田さんは最先端の石垣研究に基づき、天正期駿府城の石垣からは「『秀吉の城』のような断定はできない」ど語り、家康が早くから先進的な城を築いていたことや、慶長期江戸城で日本最強の城を実現した過程を明らかにしつつ、最終的には過剰な武装の城づくりをやめて、平和な時代にふさわしい城へと転換させていった意義を解説しました。
静岡新聞8月1日付け朝刊(PDF:448K)
2021年8月27日(金)
第3回講演会 徳川みらい学会の第3回講演会が8月27日、静岡市民文化会館大ホールで開かれました。奈良女子大学教授の鈴木則子さんが講師を務め、「幕末のコレラ禍と人々の暮らし~駿河国富士郡大宮町の史料から」の演題で語りました。
鈴木さんが拠点とする京都府と、静岡県がともに緊急事態宣言の対象地域となっていることから、リモート出演の形式による講演会となりました。
未知の病に江戸時代の人々がどう対峙したのか、往時の記録を紐解いて、疫病がそれまで当たり前に感じてきたさまざまな常識や社会のありようを変えていく現実を論じました。
コロナ禍に翻弄される中、非常に時機を得たトピックとなりました。
静岡新聞8月28日付け朝刊(PDF:448K)
2021年10月8日(金)
第4回講演会 徳川みらい学会の第4回講演会が10月8日、静岡市民文化会館大ホールで開かれました。「再現された大坂冬の陣図屏風(びょうぶ)」をテーマに、凸版印刷文化事業推進本部のクリエーティブディレクター木下悠氏と、徳川みらい学会小和田哲男会長(静岡大学名誉教授)が講演しました。「大坂冬の陣図屏風」の復元プロジェクトに携わった木下氏は、東京国立博物館所蔵「大坂冬の陣図屏風」(模本)のいわれや、多くの専門家の協業によってなしえた復元作業の実態をつまびらかにし、小和田会長は、屏風に描きこまれたさまざまな場面と史実とを照らし合わせて分かりやすく解説しました。これほどの壮麗な屛風絵が一体何のために、誰が描かせたのかは、まだ、解明されていません。歴史のミステリーにも聴取は関心を深めました。
静岡新聞10月9日付け朝刊(PDF:490K)
2021年11月27日(土)
第7回徳川家康公顕彰
作文コンクール
徳川みらい学会が共催する第7回徳川家康公顕彰作文コンクール(徳川記念財団主催)の表彰式が11月27日、静岡市清水区の清水文化会館マリナートで行われました。22の個人・団体が受賞し、東井上遥華さん(静岡高松中3年)が最高賞の徳川賞に輝きました。県内各地から多くの保護者も来場し、式典を見守りました。優秀作に選ばれた4人が、式典で自身の作品の朗読も披露しました。東井上さんの作品は「四百年前から学ぶ」。黒はんぺんのフライを給食で食べたおいしさから書き始めて読者の関心をひきつけ、駿府城に居た家康公が余ったイワシを無駄にしないためにつくらせた練り物が由来とされていることに話題を展開。現代の食品ロス問題にも触れながら、家康公の治世への思いや生きる姿勢に想像を膨らめ、「知れば知るほど、今を生きるヒントがたくさん隠されている」とつづりました。応募総数は静岡県内73の小・中学校からの327点。学校賞(最多応募人数の学校)は計70点を応募した浜松市立北浜南小が選ばれました。
受賞者名簿(PDF:66K)静岡新聞に掲載された特集紙面(4.8MB)
2021年12月2日(木)
第5回講演会 徳川みらい学会主催の「第5回講演会・武田信玄生誕500年講演会」が12月2日、静岡市葵区の静岡市民文化会館中ホールで開かれました。テーマは「徳川・武田両氏の攻防」。前半は徳川みらい学会アドバイザーで静岡大学名誉教授の本多隆成氏が徳川家康と武田信玄との攻防について論じ、後半では、信玄の死後に家督を継いだ勝頼と徳川家康との関係に主眼を置いて山梨県立中央高校教諭の平山優氏が講演しました。
静岡新聞12月4日付け朝刊(PDF:450K)
2022年2月26日(土)
第6回講演会 徳川みらい学会の第6回講演会が2月26日、静岡市民文化会館中ホールで開かれました。テーマは「今川から駿府への贈り物」。本多隆成氏(静岡大学名誉教授)と小和田哲男氏(徳川みらい学会会長、静岡大学名誉教授)が講師となってそれぞれに講演しました。
本多氏は「今川氏親・義元の葬儀―臨済寺所蔵天沢寺殿秉炬」の題で語り、2018年から3年間の臨済寺文書調査で新たに発見された「天沢寺殿秉炬」の解析を基に義元の葬儀について紹介したほか、大規模に実施された氏親の葬儀などに触れながら、今川の寺社政策を明らかにしました。
小和田氏は「徳川家康が今川から継承したもの」の演題で講演し、伝馬制度や検地、商業政策など今川時代の優れた治世や高度な文化が徳川に受け継がれたことを解説し、駿府の繁栄の礎が今川にあることを説きました。
静岡新聞2月27日付け朝刊(PDF:474K)
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